- 投稿日
- 2018年8月23日
- 更新日
多汗症は自力で完治する?塩化アルミニウム液や薬治療でうざい汗対策
手、足、顔などの多汗症で毎日うざい汗をかいてしまいます。どうして自分だけ汗をかいてしまうのかもわからず、他人からは馬鹿にされ、イジメにあうこともあります。そんな中、病院で手術するまでは決心もつかない方もいます。そこで今回は「多汗症は自力で完治するのか」についてお伝えしていきますので、ぜひご覧ください。
多汗症の原因とは?
多汗症は遺伝による体質であり、また歴とした病気です。皮下脂肪が多いだけの汗かきとは全く異なるので前提を間違えないでください。多汗症になる原因は、両親以上の家系を遡っていくと必ず多汗症の優性遺伝子を持った人物がいます。
私の場合は母親が多汗症体質ですのでわかりやすいのですが、例えばあなたの両親が多汗症でなくても、先祖が多汗症体質であったことも考えられます。多汗症体質で汗をかいてしまう原因は、はっきりとは現代医学でも判明していませんが、主に精神に負担がかかった時に交感神経が過剰に反応することが原因だと考えられています。
私と同じく手掌多汗症の方だと身に覚えがあると思うのですが、エアコンの効いた涼しい部屋でも勝手に手の平に汗が出てきて湿ることがあると思います。自覚・無自覚だとしても、何らかのストレスや緊張を精神が感じているのが発汗の原因です。
- 多汗症と汗かきは違う
- 多汗症とは体質であり病気である
- 遺伝により多汗症体質となる
- 多汗症の発汗原因は精神性としか未だ判明していない
感情の乱れによって発汗の悪循環に陥った体験談
多汗症体質だと一度汗をかいてしまうと、長時間汗が止まらなくなります。その理由は感情の乱れによって、発汗の悪循環に陥ってしまったからです。下記は私の高校時代の電車での体験談となります。
高校時代、私はいつも電車に乗って移動をしていたのですが、私しか汗をかいていない状況下において、周囲の乗客に嫌な視線で見られることが悩みでした。例えば冬場でも人が密集すると着ているダウンやコートの中が蒸し暑くなってきます。
冬場なので電車の空調は止まっていますし、暖房が入っていることさえあります。そうなるとじわじわとおでこや鼻の上には汗がにじみ出てきて、頭では気にしないようにしようと意識をしつつも、「気にしないようにしよう」とする時点で既に自分の汗を自覚をしていることとなります。
もうこうなると途端に顔中が汗だらけになっていき、ハンカチでおでこを拭かないといけない状況にまで悪化します。もちろん周りの乗客はいきなり汗を大量にかき始めた私のことを変に思っていますし、無言で私を見てくるのがわかります。
「冬場なのにどうして私だけがこんなに汗をかいているの。止まれ、止まれ!」と必死になればなるほど、ぼたぼたと滝のような汗が流れ落ちてくる事態になっていきます。
そんな私は、心の底からこの場を逃げ出したいと思うのですが、乗客が密集していて動けないのと、この後の予定に遅れてしまう懸念もあり、途中下車ができずただ目をつむって耐えしのぐしかありませんでした。
また私一人だけならまだいいのですが、よりにもよって恋人や先輩たちと一緒にいると、「汗大丈夫?」と声をかけてもらえます。単純に私を心配してくれているのは嬉しいのですが、そんな自分がみっともなくて、恥ずかしくて、情けないと感じるのです。このうざい汗の悩みをずっと抱えたまま、高校一年生まで送っていました。
多汗症でない方は大げさだとか思うかもしれませんが、季節も関係なく一度汗をかき始めると止められなくなる辛さは、きっと同じ体質の方しかわからない悩みだと思います。
心の底から多汗症体質で悩んできたからこそ「多汗症体質をなんとかしたい」と強く思い、今に至るまでいろいろ学び、そして数多くを試してきました。今となってはしっかりと制汗対策を身に付けているので、多汗症体質で極端に悩むことはありません。
- 精神性発汗は感情の乱れに左右され続ける
- 一度発汗すると感情が乱れるため、長時間発汗が続いてしまう
- 「気にしない」と考えた時点で気にしているのと同じ
- 多汗症体質を理解できるのは同じ多汗症体質の人間だけ
- 制汗対策を身に付けることで多汗症の悩みは解決する
多汗症は自力で完治する?それともできない?
『多汗症は自力で完治する』と思っている方は今すぐ考え直しましょう。はっきり言いますが、多汗症を完治させることは現代医学では難題です。最初にお伝えしたように、あなたを構成している遺伝子が多汗症体質を形成していますし、何よりも多汗症の発汗原因が精神性という一部しか判明していないことが問題です。
一方で、原因(成り立ち)が分かれば体質でも変化するものもあります。例えば人間の血液型は遺伝で決まり、血液型の成り立ちは骨髄液だと判明しています。仮に白血病になりドナーから骨髄移植を受けた場合は、稀にですが血液型が変わることがあります。なぜなら、血液型の原因(成り立ち)である骨髄液が変わったからです。
繰り返しますが、多汗症が体質であり精神性以外の発汗原因が不明の現代においては、多汗症は自力でも病院でも完治できません。もしかしたら10年、30年後なら多汗症の本質的な発汗原因が判明しているかもしれませんが、現状は医学の進歩に期待するしかありません。
- 多汗症は自力でも病院でも完治は難しい
- 将来発汗原因が判明すれば多汗症体質を変えることができる?
自力で制汗対策を行う必要性
完治できないからといって諦めろという意味ではありません。私のように『自力で多汗症の制汗対策を行うこと』は誰でもできます。完治は無理ですが、しっかり汗を抑える努力を継続すれば、極端に異常な発汗が起きず、将来的にご自身の体質とうまく付き合っていくことができるようになります。
大きく制汗対策を分けると、手術か手術以外の選択肢が出てきます。ただ、いきなり手術を選択するのは元に戻せないリスクが高いことと、一回の費用が高いのでしっかり考えてからにしましょう。また、手術以外の治療法のどれか1つを試しても効果が現れない場合もあります。
したがって、いろいろ商品ごとに試して「効果がある/効果がない」を1年以上かけて調べていく必要があります。私の場合は高校1年から検証を始めて、3年ほどかけて制汗法の勉強と検証を続けてきましたし、今でもサボらずにずっと勉強をしています。
- 完治ができないからこそ制汗対策は重要となる
- 治療法として手術か手術以外の選択
- 手術はリスクを考慮する必要がある
- 長期的な検証と勉強によって自身の体質と向き合っていくことが重要
効率を求める間違った治療の考え方
あなたが今必死になって制汗対策をしたい、しているのであれば尚更間違ってはいけない治療の考え方があります。初めて多汗症の汗対策をやり始めた頃は、みんなこぞって効率ばかり考えてしまう傾向があります。
例えば、オドレミンを3日間試してみたけど効果がないAさんがいるとします。オドレミンが自分には効果がないと判断して、効率を求めたAさんは次にボトックス注射を試しますが、1日経っても制汗効果が出ませんでした。
Aさんのように初心者が効率ばかりを求めると、あれもこれもダメ、結局何をしたらいいのかもわからない結果に陥りやすいです。Aさんにとって必要なことは、長期的な検証と勉強しかありません。
例えば、オドレミン3日間を2週間にしてみるとか、濃度13%オドレミンから濃度20%の塩化アルミニウム液に変更して2週間試してみるとか試すことはいくらでもあります。それと、塩化アルミニウム液が汗腺に蓋をするまでには3日以上かかりますし、ボトックス注射もすぐに効果があるわけではないので1週間は様子を見て判断します。
それぞれの治療方法がなぜ発汗量を抑制できるのか、その原理やメカニズムについて正しい知識を勉強せずに行動しているから、いつまで経ってもあれもこれも効かないと悩んでしまう事態になります。
知識だけの頭でっかちになる必要はありませんが。重要なことは、あなたが今なぜその治療方法を選択しているのか考えて、あなたなりの検証を怠らないことで多汗症を克服していくことにつながります。
- 効率を求めすぎては回り道となる
- 治療には正しい知識の上に検証を積み重ねる必要がある
- 自身の試行錯誤の結果、多汗症を克服できる
塩化アルミニウム液や薬治療でうざい汗対策
多汗症のうざい汗対策で最も取り組みやすいのは塩化アルミニウム液になります。先ほどのオドレミンも塩化アルミニウム液に含まれますが、商品によって濃度に高さと低さがあります。薬局などで買える市販品だと濃度が薄く、病院で院内製剤されるものは20%前後の濃度が多いです。
ただ20%で肌荒れを起こす場合もあるので、初めての方は濃度が薄いオドレミン(13%)かテノール液(3.9%)から始めてみて、徐々に20%でも問題ないか試してはどうでしょうか。また私の場合はもう病院に行くのが面倒なので、ネットショップで20%前後の商品を定期購入しています。
その他に気軽にできるものといえば、ミョウバン水やプロバンサインなどもあります。プロバンサインは副作用も出やすいですが、大事なプレゼンの前など、いざという場面では活躍してくれる薬です。いろいろ汗を抑える制汗剤はありますが、気軽にできるものは全部試してみる気持ちでいましょう。
- 塩化アルミニウム液は気軽に取り組める汗対策
- 濃度が高いと肌荒れを起こす場合がある
- 試すのは重要だが、しっかり副作用も考慮する
手術のリスクや後遺症が不安ならば納得いくまで調べ上げる
でも、中には塩化アルミニウム液や他の方法も十分に試したけど、どれも効果がなかったという方もいると思います。そうなるともう手術しかありません。手術は効果的ですが、後遺症も残る場合があるので、多汗症の悩みの大きさとご自身の将来へのリスクを真剣に天秤にかけて判断するようにしてください。
例えば、脇や掌の局所多汗症治療に有効なETS手術では交感神経を切るので、傷跡や下半身部分に代償性発汗のおそれも十分にあります。もちろん代償性発汗の汗も抑える方法はありますが、術後の体の変化によってどのような弊害が生まれるのか考えて、覚悟する必要があります。
ビューホットでは汗腺の焼き残しもあり得るので、再手術にかかる治療費まで考える必要もあります。そういったリスクを知るためにはインターネットで体験談を調べるだけでなく、皮膚科といった病院や美容クリニックなど、医療機関の専門家に直接聞きに行けば相談に乗ってもらえます。
お医者さんから直接相談をしてもらって、具体的にリスクを考えましょう。そして、家族や友人など大切な方と真剣に話し合った上で手術を受けるか、やっぱりやめるのか考えて納得がいくなら最後は自己責任で手術を受けてもいいと思います。
インターネットの情報は真面目な情報もありますが、多くは間違った情報や口コミでも根拠の薄い情報ばかりです。何を信じるのかはあなた次第です。だからこそ、ご自身の将来に関わる重要な情報は、自身の目と耳を使った行動で手に入れた方が納得がいくのではないでしょうか。
- 場合によっては手術も考慮する
- 手術は一人で簡単に決めていいことではない
- メリットとデメリットを必ず天秤にかける
- 納得するまで情報を得る
- 最後は自己責任
まとめ
今回は「多汗症は自力で完治するのか」についてお伝えしてきました。
- 多汗症は体質であり病気である
- 発汗原因は精神性以外不明
- 多汗症は自力で完治できない
- 完治は無理だがうざい汗の制汗対策がある
- 多汗症を克服したいなら勉強と検証を怠ってはいけない
- 治療で試せるものはいろいろ試そう
- リスクを納得して自己責任で手術は受けるべき
残念ながら多汗症は自力では完治は無理です。手術で汗腺を焼けばその部位の汗は減りますが、だからといって多汗症体質までが治ることはありえません。そこを勘違いせずに、どうしたら多汗症である自分に納得ができるのか考えましょう。
制汗剤や治療方法が多いからこそ迷ってしまうと思いますが、まずはリスクの低い塩化アルミニウム液やミョウバン水といったものから試していき、効果がないと判断したのなら別のものに切り替えていけばいいだけです。
情報を整理せずに、何でも一度に全部しようとするから訳がわからなくなります。改めてご自身が今どのように多汗症対策をしているのか、今一度振り返ってみてはどうでしょうか。