- 投稿日
- 2018年8月15日
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20%塩化アルミニウム液の自作方法!自作するメリットや保存方法
多汗症に効果的な塩化アルミニウム液の作り方ってどうすればいいの?毎日ダラダラ流れてくる汗…多汗症体質だと気づいて親に病院へ連れて行ってとお願いしてもお金がないから許可してくれない。でもどうにかして汗を止めたいと思って調べていくうちに塩化アルミニウム液治療を発見。でもいろいろな人が塩化アルミニウム液の作り方を紹介してるけどバラバラの分量…
このように多汗症の汗を止めたいと考えても金銭問題で病院に行けなかったり、塩化アルミニウム液を自作しようとしても正しい情報がわからない悩みを持つ方は多いです。そこで今回は「自宅で作る20%濃度塩化アルミニウム液の正しい自作方法」についてお伝えしていきますので、ぜひご覧ください。
塩化アルミニウム液は多汗症に効果があるの?
結論、塩化アルミニウム液は多汗症に対して有効な治療方法の1つです。塩化アルミニウム液が多汗症に効果がある理由は、成分の塩化アルミニウムと汗が反応し合い、人間の皮膚のタンパク質(ケラチン)からできる角栓を汗腺の蓋として利用しているからです。
例えるなら汗が出る汗腺を玄関とすると、塩化アルミニウム液によって玄関に鍵をかけてしまい汗が外に出ないように邪魔をしているようなものです。
もちろん100%の汗腺を塞ぐことはできませんし、一度塞いでもしばらく経つと蓋は流れていくのであくまでも一時しのぎ的な意味になります。とはいえ、塩化アルミニウム液は誰でも気軽に始められる非常に有効な治療方法の1つといえます。
コンサルをしているとよく「ミョウバン水と塩化アルミニウム液はどっちがいいんですか?」と相談を受けるんだよね
あ、それ私も知りたいです!教えてください
人それぞれだよ。私は何年も試してどっちも効果があるから場合によって使い分けているし、人によって塩化アルミニウム液が効かないけどミョウバン水は効く人、逆にミョウバン水が効かないけど塩化アルミニウム液は効く人もいるし。まほは実際に使った?検証した上で質問しているの?
いえ…まだです。そうですね、わからないし一度どっちも使ってみますね!
塩化アルミニウム液を自作するきっかけ(ドイツの30%濃度塩化アルミニウム液での失敗経験)
そもそも私が塩化アルミニウム液を自宅で作ってみようと思ったのは、過去にドイツで入手した30%濃度塩化アルミニウム液で失敗したことがきっかけです。
7年くらい前だったと思いますが、私がドイツ旅行をしていた際に、ドラッグストアで見かけた30%濃度塩化アルミニウム液がありました。まだ当時は日本の皮膚科で処方された院内製剤20%の塩化アルミニウム液くらいしか使っていなかったので、つい物珍しさに購入してホテルに帰ってシャワーを浴びてから、就寝前に塗ってみました。
目を閉じてある程度時間が経つと皮膚がやたらとピリピリしてきて痛くなり、これは私には濃すぎたと判明したのですぐに洗い流しました。まだピリピリ感はありましたが、一旦就寝して翌朝起きると全身刺激で痛いし、顔は真っ赤になっていてそのまま数日間治らず旅行の楽しさが激減しました。
その失敗経験から高濃度の塩化アルミニウム液は私の肌には合わないと確信しましたし、同時に「私の肌に適した濃度の塩化アルミニウム液に調節できないのかな?そもそも塩化アルミニウム液の自作ってどうやるんだっけ?」と疑問が浮かびました。
日本に帰国後、知り合いの医者に院内製剤の塩化アルミニウム液の作り方を聞きましたが、さすがに自宅で作る上では面倒くさい工程だったので、もっとシンプルかつ正確に塩化アルミニウム液を作れないか考えていました。それからいろいろ試行錯誤した結果、小学校で習った『食塩水濃度計算』にたどり着きました。
食塩水濃度計算で塩化アルミニウム液を自作したのはおそらく私が日本初だし、私しかたぶん知らない方法なので、わりと自慢(笑)
え?でもネットで調べるといろいろな人が作り方を記事にしていますよね?まっきーさんとは違うやり方なんですか?
1割の方は私とは違う計算式で自作してるよ。ただ、9割近くの方はなぜその分量を用意したのか一切根拠を記載していないんだ。いきなりある分量を用意して濃度何%かも記載していないし、稀に極端に数値が違うと感じて私が計算してみると濃度27.4%になっていて、こんな高濃度を紹介してどうするんだろうね
…ま、まぁ1割の記事は根拠あるんですし、忘れましょう(苦笑)
20%塩化アルミニウム液の自作方法
それでは自宅で作る20%濃度の塩化アルミニウム液の自作方法をご紹介していきます。ご自身で塩化アルミニウム液を自作できるようになると、20%濃度できついと感じても、13%濃度など低い濃度でも自由に調節できるようになるので、ぜひ覚えていきましょう。下記に「必要な材料」「濃度調節」「作り方」の順に説明していきます。
1.必要な材料・保存容器
- プラスチック製の容器※金属不可
- 塩化アルミニウム(III)六水和物 特級(林純薬工業)
- 精製水(日本薬局方 昭和製薬)
- エタノール(健栄製薬)
まず塩化アルミニウム液作成に必要な材料は4つ準備してください。一応メーカーも記載していますが、別にどこのメーカーでも構いません。
塩化アルミニウム液の容器ですが、金属製のものは塩化アルミニウムと金属で反応が起こるため使用しないでください。私が自作する場合は100円ショップでプラスチック製の容器を買うか、マキロンなど消毒液が入っていた空容器があれば使います。
塩化アルミニウムや精製水やエタノールは薬局でも買えますし、新城薬局などネットショップで売られているので特に入手することは難しくありません。精製水を使う意味は固定の塩化アルミニウムを溶液に溶かすためで、塩化アルミニウムと精製水の比率は同じ分量で溶けます。(例)塩化アルミニウム20gなら精製水20ml
ただ塩化アルミニウムに関してだけは、後ほど精製水に溶かしやすいように「一級(鹿一級)」ではなく、純度が高く水溶性がより高い「特級(鹿特級)」記載があるものを選ぶのがベターです。
エタノールはあまり使用しないで自作している方が見受けられますが、手掌多汗症レベル2以上の方はなるべく準備したほうが効果に期待できます。というのもエタノール自体に皮膚の細菌の殺菌効果があること、人間の皮膚に塗布すると皮脂と水分を奪ってくれるので、汗腺までスーと染み込む効率が段違いに変わってくるからです。
ちなみに、私も使っている『テサラン』や『デトランスα』にもエタノールが含まれていたり、海外メーカーの有力な制汗剤にはわりとエタノールが使われる傾向があるよ。一方で日本の制汗剤の多くには含まれていない傾向があるね
え?じゃあエタノールが入っていないと全然効果がないんですか?
そうじゃない、ちゃんと制汗効果はあるよ。でも、配合されている方が効果が出やすい傾向にあるってこと。でも実際に使ってみないことには効果がある、ないは誰にもわからないことだけどね
2.濃度調節『食塩水濃度計算』
- 目標濃度を設定する
- 塩化アルミニウム液に濃度をかけて、塩化アルミニウムと精製水の分量を求める
- 食塩水濃度計算を応用して、目標濃度にするためのエタノールの分量を導き出す
必要な材料を用意したら、みなさんが作りたい塩化アルミニウム液の濃度に合わせて材料の分量を調節していきましょう。塩化アルミニウムと精製水の分量は同じになるので、これから作る塩化アルミニウム液の濃度はエタノールの分量によって大きく変わってきます。ここでは『20%濃度の塩化アルミニウム液100ml』を作る前提で説明します。
水の量[ml]=(食塩[g]/濃度[%])-食塩[g]
※(食塩[g]/濃度[%])で食塩水全体量を出す
これを応用すると…
エタノール量[ml]=(塩化アルミニウム[g]/目標濃度[%])-塩化アルミニウム[g]-精製水[ml]
※(塩化アルミニウム[g]/目標濃度[%])で塩化アルミニウム液全体量を出す
※「塩化アルミニウム液全体量」から「塩化アルミニウム」と「精製水」の分量を差し引くとエタノールの分量が出る
※「塩化アルミニウム」と「精製水」は同じ分量
実際に計算すると…
塩化アルミニウム液100mlなので濃度20%を掛けると塩化アルミニウム20gが出てきます。その塩化アルミニウムと精製水は同じ分量で溶け合うのでこれで合計40g(20g+20ml)になります。あと60mlがエタノールになってくるので複雑な計算はしていません。
したがって『20%濃度の塩化アルミニウム液100ml』を作るためには、『塩化アルミニウム20g、精製水20ml、エタノール60ml』必要となります。
仮に『10%濃度の塩化アルミニウム液50ml』なら『塩化アルミニウム5g、精製水5ml、エタノール40ml』になるけどついてこれてるかな?
たぶん大丈夫です。50mlの5%濃度なら『塩化アルミニウム2.5g、精製水2.5ml、エタノール45ml』で合ってます?
正解!自分で作る時は最初から塩化アルミニウム液の全体量は決められるけど、病院でもらったものの濃度を薄める時などに困る。でも、これでどんなものでも濃度調節できるようになるよ
3.作り方
- 必要な材料を集める
- それぞれの分量を調節する
- 精製水で塩化アルミニウムが溶けるまで混ぜる
- エタノールを混ぜてプラスチック容器に移す
作り方はいたって単純で、順番に混ぜ合わせるだけです。塩化アルミニウムは精製水にわりとすぐに溶けるので時間はかかりません。塩化アルミニウム液を自作できたら、今度は保存方法が重要となってきます。
自作した塩化アルミニウム液の保存方法と注意点
自宅で自作した塩化アルミニウム液はパラベンなどの防腐剤も入れていないので基本的に1~3週間程度しか保ちません。保存方法はなるべく直射日光は避けて湿気の少ない場所に保管してください。冷蔵庫の中でも一応大丈夫です。
それと1つ注意することは開封時に鼻を近づけすぎないでください。というのも私のやり方で塩化アルミニウム液を作るとエタノールをわりと入れています。エタノールにはアルコール成分が入っているので、プラスチック容器を開封する際に気化したエタノールを吸い込まないように換気にも気を配ってください、
20%塩化アルミニウム液を自作するメリット
- 市販の低い濃度の塩化アルミニウム液で制汗効果が現れにくい方でも、日本人に最適な20%濃度を試すことができる
- 中学生や高校生が両親に病院に行くのを許可されなくても、病院で処方される濃度と同じ塩化アルミニウム液を自宅で作れる
- 20%濃度が十分すぎる場合は徐々に濃度を薄めて試すことができる
- 安く大量に作れるので、お金がなくてもケチケチせずに使いたいだけ使える
- 防腐剤(パラベン)が入っていないので乳がんのリスクが低くなる(?)
20%濃度の塩化アルミニウム液を自作できると上記5つのメリットがあります。日本人の肌に対して最適な塩化アルミニウム液濃度はおよそ20%と言われていますが、『オドレミン(日邦薬品工業)の濃度/13%』や『テノール液(佐藤製薬)の濃度/3.9%』といった市販の塩化アルミニウム液では濃度20%に遠く及びません。
もちろんテノール液でも全く効果がないわけではありませんが、少なくとも私の手掌多汗症には濃度が低すぎました。これも一人ひとりの症状の程度が違うので使ってみないとわかりませんが、基準は濃度20%ですし、院内製剤の塩化アルミニウム液も20%前後になるように作られています。
そういった意味では中高生が病院に行けなくても、最適濃度20%の塩化アルミニウム液を自宅で簡単に作れる点は大きなメリットとなります。また20%濃度以下でも制汗効果があるか試す時でも、ご自身で濃度調節を自由にできるのは自作の醍醐味です。
「この人にはこの濃度が最適」なんて見ただけじゃ医者でもわからないからね。一朝一夕じゃわからないから何度もこれはどうかなって試して、その繰り返しでしかご自身の最適濃度は見つけられないよ
私なんかすぐに答えを求めちゃうから反省しないとダメですね。「多汗症は体質で病気だよ」ってまっきーさんがいつも言ってるように私も自分のこともっと知らないといけないですね
がんばっ!
20%塩化アルミニウム液を自作するデメリット
- プラスチック容器や塩化アルミニウムなどを購入する手間がかかる
- 適切な分量を守らずに自作すると肌荒れを起こす
塩化アルミニウム液を自作すると上記2つのデメリットがあります。適切な分量ですが、説明したように『食塩水濃度計算』を用いれば問題ありませんが、(このくらいでいいかな?)と目分量で決めたり、根拠を示さないサイトに書いてある数値を真似してみると実はかなり高めの濃度だったりという場合です。いずれにしても確認をするかしないか決めるのはみなさんの自由です。
塩化アルミニウム液の塗り方や注意点
- 入浴をして皮膚の汚れや皮脂を洗い落とす
- 肌が乾いたらエアコンの効いた涼しい部屋に移動する ※汗をなるべくかかないため
- コットンは使わずに各部位に指ですり込ませ、乾燥したら塗る作業を3回程繰り返す ※なるべく就寝前に行う
- こすると肌が痛痒いようなつっぱる感じがしたらやめる
- ベッドの寝具に薬剤がつかないよう手袋や靴下をつけて就寝
- 翌朝起きたらシャワーで洗い流す
- 効果が現れるまで毎日繰り返す
- 2週間~3週間前後で塩化アルミニウム液の効果が切れてくる(肌のターンオーバー)ので、塩化アルミニウム液を塗り直す ※この繰り返し
塩化アルミニウム液の塗り方は上記の通りです。お風呂上がりにすぐに塩化アルミニウム液を塗布しようとする方がいますが、体温が上がって汗をかきやすい状態なので、塗布するタイミングが間違っています。また下手なタイミングで塗布していると肌荒れや炎症を招くので注意しましょう。
塩化アルミニウム液を塗布するベストタイミングは、1日の中で最も自立神経が安定化する就寝の直前です。逆に起床時や交感神経が活発になっている運動時に塩化アルミニウム液を塗っても、角栓が形成される前に汗で塩化アルミニウム液が流れてしまうので、あまり効果がありません。
しっかりと就寝時に汗腺まで染み込まし。翌朝にキレイにシャワーで洗い流すという基本ルールを守っていると、1週間もあれば汗腺に角栓ができます。ただし肌のターンオーバーの周期に合わせて角栓が流れ落ちるので、様子を見て塩化アルミニウム液を繰り返し塗布することが必要です。
顔など肌が弱いところは注意!別に塩化アルミニウム液を塗ってもいいけど、少し濃度を薄めたものを使うとか事前にパッチテストを行うとか安全確認してから使おう
顔が真っ赤っ赤で学校にいくなんてやだ!(泣)
まとめ
今回は「自宅で作る20%濃度塩化アルミニウム液の正しい自作方法」についてお伝えしてきました。
-
- 塩化アルミニウム液の作り方はたくさん紹介されているが、どれも分量がバラバラで知識がないとどれが正しいのかわからない
- 病院にいくことが許可されない時に、自宅で塩化アルミニウム液を作れると非常に助かる
- 管理人はドイツでの失敗から『食塩水濃度計算』による塩化アルミニウム液の自作方法を考え出した
- 自作する際は「何%濃度で作りたいのか」「そのために必要な各材料の分量はいくらか」を正確に計算しよう
- エタノールを多く含んでいるので換気と保存方法には注意しよう
- 院内製剤も20%濃度だが別に絶対基準ではないので、ご自身の肌は何%濃度が適切なのか自作することで試しやすくなる
- 塩化アルミニウム液を塗布する際は寝る前に塗り、翌朝洗い流す流れを無視して勝手な行動を取ると、肌荒れを起こしやすい
- 塩化アルミニウム液は毎日塗り続けても効果が持続するわけではないので定期的に塗り直す必要がある
塩化アルミニウム液は多汗症の悩みを持つ方にとって基本中の制汗剤の1つですし有効な手段でもあります。実際に私も『テサラン』や『デトランスα』はネットショップで取り寄せて使っていますが、まだ中学生や高校生の中にはネットショップが使えずに、さらに多汗症に理解のない親のせいで皮膚科で診てもらえない子もいます。
そういう時、自宅で簡単に塩化アルミニウム液を作れる方法を知っているのと知らないのとでは多汗症の治療に大きな差が生まれてきます。病院で処方されなくてもご自身で自作した塩化アルミニウム液で汗が止まれば嬉しいことですし、非常に勉強になると思います。
下記は塩化アルミニウム液よりも副作用が出にくい制汗剤の『テサランを実際に購入して3ヶ月間使ってみた感想』についての記事です
“今手汗で本気で悩んでいて”、“今すぐ手汗対策をしたい”方は必ずご覧ください。