- 投稿日
- 2018年8月6日
- 更新日
野球応援する吹奏楽部が熱中症?暑さ対策や楽器・持ち物・服装注意
こんにちは。私は現在20代後半、イギリスのリーズ音楽大学に留学中の女です。私の専攻はクラシックで、扱っている楽器はトランペットとなります。
私の両親が日本の現役オーケストラの演奏家で、もともとは幼稚園の頃からトランペットについて教育を受けてきました。私の音楽人生を振り返ってお話できることは、「高校野球を応援する吹奏楽部の熱中症対策」と「気温の暑さによって金属熱を帯びる楽器への対策」となります。
甲子園の高校野球を吹奏楽部(ブラバン)の立場で応援
私は私立の高校で吹奏楽部に所属して、トランペットを吹いていました。その吹奏楽部の中でも、私が所属していたグループは木管楽器を除いたものでしたので、意味合いはブラバン(ブラスバンド)でした。
そして、私の高校は野球部も甲子園常連校でしたので、吹奏楽部が野球部の応援を務めることとなります。吹奏楽部にいたことがあるとすごく共感してもらえると思いますが、楽器はとてもデリケートなものです。金管楽器に使われている金属も、甲子園のように猛暑といえる環境では収縮をしてしまったり、金属部分がとても熱を帯びることになります。
また、私たちのグループの場合は木管楽器はそもそもいませんでしたが、サックスを吹く友達もいました。サックスにはタンポがありますが、タンポも熱で収縮する性質があります。そのため暑さでサックスの調整も大変なことになります。
調整が済むと試合中は炎天下の中で演奏を続けることとなります。ただでさえその場にいるだけで大量の汗をかいてしまう環境ですが、重い楽器を持つ必要もあります。そのため、私たちの「体が熱中症にならない対策」と「楽器が帯びる金属熱への対策」を行う必要がありました。
体の熱中症対策と楽器の金属熱への対策(持ち物・服装)
私たちの時代は高校で統一したユニフォーム(Tシャツ)に帽子(おしゃれな麦わら帽子)を着用しましたが、ユニフォームや帽子だけでは日差しへの対策は不十分です。男女問わずニベアの日焼け止めを塗ったり、日差しが首に直接当たらないように水で濡らしたタオルを首に巻いていました。
そのタオルも少し時間が経過すると乾いてしまいますので、数名で一つの水の入ったバケツを置いて、演奏をしていない間や演奏の交代をしている間に何度も水で濡らしてタオルが乾かないようにしました。また、楽器を演奏することはとても大きなエネルギーを消費します。
私のようにトランペットやサックスを吹く友達も演奏中は息を楽器に入れるので、体の中からますます水分がなくなっていきます。なので、ただのお水ではなくて、塩分が多いポカリスエットやアクエリアスのスポーツ飲料とカロリーメイトなどの軽食を吹奏楽部で用意していました。
熱中症の対策はたくさんしないといけません。長時間の演奏になりますし、野球部の人たちが試合に勝てば連日演奏をする必要があリますので、みなさんが予想するよりも心身ともに遥かに吹奏楽部の野球応援は大変なものです。
それと、演奏中は難しいですが演奏をしない間は、楽器の金属部分に日差しがあたる時間を少しでも減らそうとタオルで楽器を覆いました。あまり金属が熱くなると音もズレることがありますので、要注意です。
もう一つ注意があるのですが、不用意に楽器を持って行動しないことです。甲子園球場ですが私たちも他の観客の人も砂や石がある外から球場に入ってきています。不用意に楽器を持って歩くと、小さな砂や石が楽器のロータリーやピストン部分に入り込んでしまうこともあります。そうなると出したい音が出せなくなりますので注意してください。
甲子園で野球応援をしたことは高校の最高の思い出
甲子園で野球応援をした先輩として全国の吹奏楽部の後輩に伝えたいことがあります。演奏環境としては全く適しませんが、甲子園のあの場所で演奏できるのは限られた時間だけです。だから、全力で楽しんでください。私は今もトランペットを続けていますが、高校の甲子園で演奏して感じた気持ちは、私にとって今でも特別な思い出です。
今年の日本は例年になく暑くて熱中症になっている人が多いと母から聞きました。気温は高く、日差しは強く、熱中症対策や楽器の熱さ対策も必要で、とても10代後半の高校生には大変な環境だと思いますが、頑張ってください!それと私が将来両親のようにオーケストラに入団したら、是非コンサートに遊びに来てください。