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ビールで熱中症予防になる?危険なアルコールと正しい水分補給とは?


熱い夏日が続くと汗が止まらなくなり、頭がぼーとして気づけば倒れていたという経験をしたことや、実際に倒れている方を見たことがある方も多いのではないでしょうか。「夏は熱中症予防が大切だから、しっかり水分補給をするべき!」というのは自明の理ですが、実際には「水分補給はビールでいいですか?」といった疑問抱えている方も少なからずいます。

あるいは「のどが乾いたら水分補給をするつもりでしたが、いつの間にか脱水状態になっていました。」と、熱中症に気をつけていても脱水状態に気づかない場合も多く、中には熱中症で命を落とす方が毎年いらしゃいます。今回は、「熱中症はビールで防げるのか?」「危険な水分補給とは?」についてお伝えしていきますので、ぜひ、ご覧ください。

体内の構成要素の概要


当たり前ですが、水分補給をする理由は、体の中の水分が足りなくなり補う必要があるからです。そこで、まずは人間の体内の構成要素から理解していきましょう。よく「水分がおよそ60%、タンパク質がおよそ18%、脂肪がおよそ16%、無機質(ミネラル)等がおよそ6%」と聞いたことはありませんか?これは学校教育の中で必ず教えられる知識となります。

ただ、この場合の「人間」とはあくまでも平均的な概要を示した意味です。例えば胎児と大人の違い、男性と女性の違い、同じ男性でも年齢の違いなどで体内の水分構成は全く異なってきます。もう少し詳しく分けると「お腹の中の胎児だとおよそ90%、新生児から幼児まではおよそ70%、成人男性でおよそ60%、成人女性でおよそ55%、老人でおよそ50%」となります。

人間は呼吸や尿、汗、涙など特別なことをしなくても体内の水分は失われ続けます。平均的には一日2L~3Lの水分が体内から失われるため、一週間換算だとおよそ20L近くに及びます。このことからも、人間の体にとって水分は欠かせないものであるとわかります。

熱中症とは?


熱中症とは、気温や湿度が高かったり風が弱いなどの高温多湿の環境下で、外仕事(ハードワーク)や運動をした際に、人間の体が適切に対応できないことで起こるさまざまな症状のことです。さまざまな症状とは、めまい、頭痛、立ちくらみ、顔がほてる、吐き気、脱水症状、けいれん、汗の異常発汗や、失神などが挙げられます。

平常時は体温が上がると、エクリン腺から発汗を行い、その汗が蒸発することで体温を下げて体温調節しています。しかし、高温多湿の環境下の場合、体温が上がるスピードが異常に早くなり、体温調節機能が正常に機能せず体内に熱がこもったまま、もしくは大量の汗を汗をかくことで体内の水分とミネラルなどが一気に失われます。

また、汗をかく際は血管の拡張も同時に行われるため、全身を流れる血液の量とスピードの低下を招き、低血圧に陥りやすくなります。先ほど、熱中症の症状の例でめまい、頭痛や失神などを挙げましたが、脳へ流れる血液が低くなったことが原因です。

こうした、高温多湿の環境下における異常な発汗や体温調節機能の機能不全、あるいは血圧の低下などが原因で熱中症は引き起こされます。そのため、熱中症対策が非常に重要なものになります。

熱中症はビールやお酒で防げるのか?


「炎天下の中、夏はみんなで集まりバーベキュー!お肉を焼いてタレにつけて口に入れる、その後にゴクゴクとキンキンに冷えたビールを飲む幸せ!」と、ビールやお酒好きな人は野外、食事の場、ビアガーデンや夏祭りなどで大量のビールやお酒を飲んでいます。

そのため「十分に水分は取っている。」と考える方もいます。確かに、ビール中には水分も含まれているので、水分を摂取しているのは間違いありません。ここであなたに一点質問させていただきます。

Q.水分補給としてビールやお酒は本当に適切といえるのでしょうか?

答えは「適切とはいえない」です。なぜならば、ビールやお酒にはアルコールが含まれるため、利尿効果が大きいからです。

なぜビールやお酒は脱水状態に陥りやすいのか?


お酒を飲んでいると、必ずトイレに行きませんか?これには医学的根拠が存在します。お酒を嗜む方や医学に詳しい方なら、「バソプレシン(ADH)」あるいは「抗利尿ホルモン」をご存知の方もいらっしゃるかと思います。

バソプレシンは脳から分泌され、腎臓に働きかけて利尿を抑制する(=抗利尿)ホルモンになります。バソプレシンが多く分泌されると利尿しにくくなり、逆に分泌が抑制されると利尿が促進されます。

そして、バソプレシンはアルコールを摂取すると分泌が抑制されます。人間が利尿目的はいくつかあり、体内の老廃物や不要な水分を出すこと以外にも、血液中のアルコール濃度を下げるためという目的もあります。そのため、アルコールが体内に入ると、なんとしてもアルコールを抜こうと脳が司令を出し、結果バソプレシンの抑制とそれに伴う利尿が起こります。

また、体内に入ったアルコールはそのまま尿に含まれるわけではありません。体内に入ったアルコールは胃でおよそ20%吸収、小腸でおよそ78%吸収、汗や呼吸でおよそ2%出ていきます。胃と小腸で吸収されたアルコールは肝臓で分解されて、その後は筋肉でも分解されていきます。

この分解される時に体内に元からある水分が使われることになります。実際アルコールの分解時にどれだけ体内の水分が使われるかですが、下記私の使用している医学書から概要を引用します。

仮に一個人が酒類(ビール)100mlを飲んだ場合、全身をかけて分解されるのに必要な水分量はおよそ120ml程度である。

つまり、ビールを飲めば飲むほど体内の水分量はマイナスのグラフを描き、かつバソプレシンが抑制されているため利尿効果も高まり、水分が失われ続けていくことになります。

「バソプレシン/抗利尿ホルモン/ADH」・・・
脳下垂体後葉から分泌されるホルモンの一つ。腎臓や排出器官などに働きかけて水の再吸収を促進させる効果と、毛細血管を収縮させて血圧を上げる効果がある。

また、「お酒を飲むと汗が出る」ことに身に覚えはありませんか?管理人本人がまさにお酒を飲むと汗をかいています。これも人間の生来の機能の一つになります。

ビールにはバソプレシンを抑制して利尿効果があるとお伝えしましたが、それ以外にも新陳代謝を高める効果もあります。なぜならば、ビールに含まれるカリウムを大量に摂取することで、血液中のカリウム濃度のバランスが崩れたからです。

カリウムそのものにも利尿効果があり、アルコールが入っていなければ尿から過剰なカリウムを出して濃度を調節しますが、アルコールが体内に入っている状態では尿だけではアルコールの分解とカリウムの濃度調節では不十分になります。そのため、脳は尿以外の方法で、体外にカリウムを出さないとダメだと判断して、汗をかいて体内カリウム濃度を調節しようとします。

少し話はズレますが、会社の飲み会や大学のサークルの飲み会などで、新人に一気飲みをさせる非常に下らない愚かな日本文化が未だに存在しています。結果何が起こるのかというと「急性アルコール中毒」で意識障害や最悪の場合死に至ります。

これはなぜかというと、短時間で大量のアルコールが摂取されたことによる体内の水分欠如と血液中のアルコール濃度が高まり、呼吸器官などの機能障害が原因となります。

酔いにもレベルもがあり、「ほろ酔い/血液中のアルコール濃度0.02%~0.1%」→「泥酔期/0.3%前後」→「昏睡期/0.4%以上」となります。一気飲みは言葉通りしらふの状態から泥酔期、最悪の場合は昏睡期まで一気に酔いが進みます。

つまり、水分補給はビールやお酒では不可能です。アルコールが体内でどのような働きをするのか考えれば、水分補給に適さないことは医学的に証明することができます。

水分補給の一日の目安と効果

上記で「平均的には一日2L~3Lの水分が体内から失われる。」とお伝えしましたが、このことは一日2L~3Lの水分補給をしないといけないことを意味します。また、食事に含まれる水分はおよそ1L前後になります。

したがって、最低でもおよそ1L~2Lの水分補給を自分でする必要があります。もちろんビールやお酒を飲んだり、スポーツをして大量の汗をかいた場合はそれ以上に水分補給をする必要がでてきます。また、水分補給をすることで熱中症予防になるだけでなく、さまざまなメリットが存在します。

体内の老廃物をしっかり出せるため健康と美容維持に効果があったり、脱水状態の体がだるい状態を回避できたり、細胞に水があることで外からの衝撃緩和に役立ったりなど挙げれば切りがありません。

危険な水分補給。胃の大きさと血液中濃度から分析

では、およそ1L~2Lの水分補給を一気に行え(がぶ飲みすれ)ばいいのかというとそうではありません。あなたは水分補給による障害やデメリットがあることはご存知だったでしょうか?というのも、人間の胃の大きさには限界があります。

個人差はありますが、拳一つ分(1.5L~3L程度)といわれています。食事をすれば胃液が出てきて食べ物を溶かし始めますが、すぐにすべてが溶けるわけではありません。およそ2~4時間かけてゆっくりと消化されていきます。

そこに大量の水分が入ってくると、胃液が薄くなるのはイメージがつきますか?また、大量の水分を処理するために腎臓や肝臓など他の消化器官の機能オーバーになることもあり、水分補給をしているのに体がかえってだるくなったり、むくみが出たり、とても疲れてしまう事態になります。

また、水分補給の落とし穴として「水さえ飲んでおけば水分補給になる」と勘違いをする方が非常に多いですが、それは間違いです。汗や尿の成分の中には水分、タンパク質、アンモニア、カリウム、鉄、ナトリウム、ミネラルや他にもさまざまなものが混じっています。

したがって、ミネラルなどを含まない水だけを飲み続けると、体内や血液中の物質濃度が薄くなっていきさまざまな障害が出ます。また脳も「水分を出して濃度を濃くしろ!」と命令を出すため、水を飲めば飲むほど、体内から水分が失われる矛盾も生じていきます。

正しい水分補給方法とナトリウム基準

では、どのように水分補給をすればいいのか、何を飲めばいいのかお伝えします。原則は「体から水分が出る前と出た後」です。

体から水分が出る前と出た後の例・・・
・朝起きた後→寝汗分の水分
・夜寝る前→寝汗分の水分
・トイレの後→尿分の水分
・たくさん話す前→呼吸分の水分
・たくさん話した後→呼吸分の水分
・入浴前→入浴時の水分
・入浴後→入浴時の水分
・スポーツをする前→スポーツ時の水分
・スポーツをした後→スポーツ時の水分

他にも歩くだけ、空気が乾燥していたり、何かのきっかけで汗をかいたときなどこまめに水分は取りましょう。「のどが渇いた」は軽い脱水症状なので、水分を取ることを我慢する必要はありません。また、水分とミネラルなどが豊富な飲み物としては、麦茶・アクエリアスやポカリスエットなどのスポーツ飲料が効果的です。

よくスポーツ飲料を薄めて飲む方もいますが、メーカー側は人間の体液に近い濃度でスポーツ飲料を製品化しているためそのまま飲んでも問題ありません。また、麦茶がない場合は、塩をいれたお茶を飲むことでもミネラルの補給になります。

どの飲料にするかは自由ですが、目安としては、最も重要なナトリウムを基準に100mLに対して35~50mg含まれているものを選んでください。また、激しいスポーツをする際は、筋肉のエネルギー源である糖分が入っているスポーツ飲料を飲んだほうがパフォーマンスは上がります。

ただし、高血圧で悩んでいる方の場合は、最適な濃度を知るために必ず病院に相談してください。

まとめ

今回は、「熱中症はビールで防げるのか?」「危険な水分補給とは?」のテーマに沿ってアルコールによる水分補給の難しさや、水分補給に潜む危険性についてお伝えしてきました。

私たちは夏に美味しいものをいっぱい食べたり、お祭りや海でチューハイやカクテル、ビールなど飲んで楽しくしたいかもしれませんが、お酒ばかり飲んでいると脱水状態になるだけで、水分補給には決してなることはありません。だからこそ、お酒を楽しみつつこまめな水分補給が重要となります。

既に7月でとても汗ばむ季節です。私も毎日たくさん汗をかいていますが、しっかりと水分補給をしています。水分補給とは真水を飲むことではありません。ナトリウムを基準にミネラルと水分をしっかり考えて体内に補充してください。

    • 下記は子供や妊娠中の女性の敏感肌でも使える制汗剤の『テサランを実際に購入して3ヶ月間使ってみた感想』についての記事です

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はじめまして。当サイトを運営しているまっきーです。

(自称)多汗症コンサルタントとして150名以上のコンサルタント経験を持ちます。

10年以上にのぼる医学知識と検証をもとに、汗と臭いの悩みを解決する情報を発信していきます。

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