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味覚性発汗の原因はみかんやカレー?味覚性発汗の仕組みや対策・治療

カレーや唐辛子など辛いもの・みかんやキウイといった酸っぱい柑橘系果物や梅干しなどを食べると顔汗や頭汗が出るのは異常でしょうか?食事をしただけで体が火照って汗をかいてしまう仕組みって何?もしかして私は何かの病気だったりするの?

このように食事に起因する発汗で困る方は少なくありません。私自身にんにく醤油のラーメンやコンビニのからあげなどを食べると額や鼻にも汗が出てくる体質です。食事をする時は、一人の時もあれば、友達・家族・恋人とのデート中、あるいは会社の飲み会など大勢の人前でシェアして食べるなどいろいろな場面が存在します。

発汗の種類目的・原因
温熱性発汗体温調節
精神性発汗精神的ストレス
味覚性発汗舌や鼻による刺激(=熱)

「みんな同じものを食べているのに、自分だけ顔汗だらけでみっともない…」「どうして私だけこんなに異常なの…」という感情がきっかけで、精神的な汗も併発してさらに発汗を助長させていきます。そこで今回は「食事による味覚性発汗の仕組み」についてお伝えしていきますので、ぜひご覧ください。

味覚性発汗とは?精神性発汗と温熱性発汗との違いや仕組み・原因

発汗の種類目的・原因
温熱性発汗体温調節
精神性発汗精神的ストレス
味覚性発汗舌や鼻による刺激(=熱)

『味覚性発汗』とは、食べ物を口にした時に生理現象としてかいてしまう汗のことを指します。味覚性発汗について詳しく見ていく前に、まずは人の3つの発汗について知っておきましょう。

種類1.温熱性発汗

最も重要といえる発汗で、人間の体内の温度を下げるための発汗になります。夏場のように気温が高いときや、走ったり運動した時に体内の温度が上がりますが、体中のエクリン腺から汗をかいて、汗の気化熱で体温を下げています。

種類2.精神性発汗

会社や学校のプレゼンテーションなど人前で緊張したり、何か嫌なことやストレスを感じていると体温調節機能とは関係なく汗が噴き出てきてしまう発汗のことを指します。

「多汗症」という病気がありますが、主な原因はこの精神性発汗からくる汗です。暑くもないのに汗が出てしまい、ストレスを実感していようが、無意識でも関係なく何かしら精神的なストレスを抱えていると、エクリン腺からの発汗が異常に促進されてしまいます。

種類3.味覚性発汗

そして味覚性発汗は、みかんやカレーを口にした際、舌の上にある感覚神経を通して『辛さ・痛み・酸味・甘さ』が、脳の中枢神経系へ『口の中の熱さ』と伝わることによって発汗が促進される生理現象のことを指します。発汗が促進される際は、交感神経からアセチルコリンという神経伝達物質を分泌させています。

私たちがみかんやカレーを口に入れて噛んで、喉の奥にある食道へ飲み下します。この時舌には脳へ味覚信号を伝えるさまざまな神経や毛細血管などが備わっていて、舌を通じて脳へ大量の刺激が送信されます。この時、カレーの辛さや痛み、みかんの酸味や甘さは『口の中の熱さ』として情報が送信されていきます。

(イメージ化すると)

舌:「脳さん。口の中暑いです!」
脳:「任せろ!今汗をかいて口の中を冷ましてやるからな」

舌からの信号を通して脳は『辛さ・痛み・酸味・甘さ』⇒『口の中の温度上昇』と誤認してしまいます。あとは温熱性発汗と同じ仕組みで、汗をかいて体温を下げるという人間の生理現象が働くことになり、結果味覚性発汗が引き起こされています。

酸っぱい・辛い・甘い食べ物と味覚性発汗

酸味・柑橘系辛さ・痛み甘さ
みかんカレー飴・グミ
キウイラーメンハイチュー
梅干し唐辛子チョコレート
レモン生姜チーズ

『辛さ・痛み・酸味・甘さ』⇒『口の中の温度上昇』と説明しました。このことからカレーが辛ければ辛いほど、レモンが酸っぱければ酸っぱいほど、飴やチーズが甘ければ甘いほど、口の中の刺激(=熱さ)は高くなり、味覚性発汗の症状が大きく出やすいこともわかると思います。

ちなみに食べている食べ物自体がアレルギー体質で、アレルギー反応として異常な汗が出ている場合もあるので注意しましょう。

同じ食べ物でも個人間で発汗量が異なる

味覚性発汗によって引き起こされる顔汗の発汗量は、一人ひとりで異なってきます。

例えばCoCo壱番屋でカレーを食べていると私は大量に顔汗をかきます。友人からは「代謝がいいな」とフォローされますが、そのフォローは全く嬉しくありません。私的には、汗をかかないで食べられる方が断然いいです。このことからも発汗量に個人差があることがわかります。

写真のタンタン麺は私と友人が大学生の頃に挑戦した唐辛子70本くらい入ったタンタン麺で、冬場でしたが私は3口で全身びしょ濡れでギブアップ、汗をあまりかかない友人でさえも刺激が強すぎたためかひどい有様になった記憶があります。もう二度と食べません。

また私は辛いもので味覚性発汗を引き起こす体質ですが、酸っぱい食べ物や甘い食べ物では一切味覚性発汗を引き起こしません。逆に友人はチューイングキャンデーやチーズでは異常に汗をかいたりと、個人個人で味覚性発汗を引き起こす食べ物は異なっています。

    • 一番嫌なシチュエーションは、カップルで中華屋に行った場合。彼女はひどい味覚性発汗で、彼氏は辛いものいくらでも大丈夫だと選ぶメニューが難しいよね

    • 確かに…。デート中に顔汗ダラダラなのは気が引けますし、私なら辛くないものを選ぶかなー。でもエビチリや麻婆豆腐っておいしいし、すごく残念です

味覚性発汗を条件反射(パブロフの犬)から分析する


少し話はズレてしまいますが、あなたは梅干しやレモンを見ると口の中から唾液が出てきませんか?この現象は人間の条件反射が原因です。

上記の写真は旧ソ連の生理学者のイワン=ペトローヴィチ=パブロフ(Ivan Petrovich Pavlov/1849年~1936年)さんで、「パブロフの犬」実験で条件反射を発見された方です。

■「パブロフの犬」実験/条件反射
旧ソ連の生理学者のイワン=ペトローヴィチ=パブロフさんが行った実験
1.犬にメトロノームを聞かせる
2.寄ってきた犬が唾液を出したらエサを与える
3.時間を開けて、再度メトロノームを聞かせる
4.再度、犬が唾液を出したらエサを与える
5.この繰り返しを続ける
6.犬はメトロノームを聞けば唾液を出すようになる

条件反射は後天的経験の積み重なりによる学習です。「梅干しやレモンを食べたらすっぱい」という経験を何度もするうちに脳が学習するため、梅干しやレモンを食べなくても見たり頭の中で思い返すだけで唾液が出てくる条件反射が起こります。

先ほどの味覚性発汗を持つカップルを例に例えると以下のようになります。

■「中華料理を食べると汗が出る」学習
1.中華料理を食べたら汗が出た
2.「中華料理で汗が出るかな?」と思い避ける
3.あるとき中華料理を食べたらやはり汗が出た
4.「中華料理を食べれば汗が出る」と確信する
5.視界に中華料理が入る度に汗をかく自分を想像する
6.この繰り返しが積み重なる
7.中華料理を食べなくても、見るだけで汗が出てくる

この経験は頭の中にしっかり刻み込まれているので、「精神的なストレス」の原因となります。精神的なストレスを感じることで、精神性発汗を併発することになります。したがって、味覚性発汗で一度嫌な感情を持ってしまうと、それは精神性発汗までも併発してしまうリスクがあることは意識しておきましょう。

味覚性発汗を引き起こす可能性がある手術


味覚性発汗の原因としては、舌の感覚神経からの刺激が口の中の温度上昇だという学説はお伝えしました。ただ、それ以外にも味覚性発汗が起こる原因が存在します。ワキガの対策として有名なETS手術であったり、何らかの病気で胃の切除を行った後の後遺症などが挙げられます。

手術1/ETS手術「代償性発汗」

ETS手術(胸部交感神経遮断手術)とは、腋の下の皮膚を2~4mmほど切ってカメラを胸腔に入れ、モニター画面で胸の中を見ながら、背骨の近くにある交感神経の束(Th3、Th4)を切断する手術のことです。ETS手術には代償性発汗という後遺症が起こる可能性があります。

なぜETS手術をして味覚性発汗につながるのか明確には現代医学でもわかっていません。ただ、考えられる原因としては、交感神経を切除した際に、副交感神経とのバランスが崩れてしまったためという学説があります。

手術2/胃の切除「ダンピング症候群」

胃癌であったり何らかの病気で胃を切除した場合、本来の消化プロセスから外れてしまうために起こる様々な症状を「ダンピング症候群」といいます。

人間は胃で食べ物を消化することで小腸などで吸収しやすいものに変質させます。このとき、食べ物の浸透圧も同時に下がります。しかし、胃の切除によって消化されず浸透圧が高いまま小腸へ急速に届くため、小腸壁にある自律神経への刺激が強烈なものになります。

また、「食べれば自分の体調が悪くなる」と学習することで、食べることそのものにストレスや不安を感じるようになり、自律神経のバランスが崩れてしまうことも味覚性発汗の原因と考えられています。

「ダンピング症候群」・・・
胃の切除をした人が、食事をした際に起こる吐き気、嘔吐、めまい、脱力感、発汗などの症状のこと。本来胃で消化をして徐々に小腸へ消化物を送っていたが、胃を切除したことで急速に小腸へ届いてしまうことが原因。

味覚性発汗の対策


繰り返しになりますが、味覚性発汗の明確な原因は現代医学ではまだ解明されていません。一部わかっている原因としては、「舌の感覚神経による刺激」「手術後の後遺症」「精神的なストレスや不安」などになるため、それらに対する対策となります。

対策1/食べる環境づくり

家で一人で食べるのと、会社のデスクで食べるのとでは食べることへの安心や緊張の度合いが全く異なります。なるべくあなたがリラックスできる環境を選んで、あまり張り詰めないで楽しく気軽に食事をするようにしましょう。

対策2/食べ物の選択とランキング化


これは気をつけないと負のスパイラルになってしまうのでご注意ください。あなたはどういった食べ物を食べると汗が出ますか?汗が出る食べ物をあなた自身で汗の量に応じてランキング化してください。

ランキング化したら、男性の方は女性の前で絶対に食べたらダメなものは食べない、女性の方も男性の前で絶対に食べたらダメなものは食べないと決めてしまってください。尊敬している方や好きな方の前で恥をかくことが心理学上嫌な記憶に残りやすいといわれています。

上記で中華料理の条件反射の例を挙げましたが、ここで負のスパイラルから抜け出すためには、負の記憶学習を最小限に抑えつつ、正の記憶学習が必要となってきます。簡単にいうと、汗が出る食べ物に対して嫌な気持ちをなるべく抱かない経験を積み重ねる必要があります。

例えば、中華料理を彼氏の前で食べないと決めたとしても、家では汗だくになりつつも好きなものだから食べて幸せな経験をすることが重要です。

なぜなら、避けてばかりいると、その食べ物に対して見るだけでストレスや汗をかいてしまうイメージが濃厚になり、自律神経のバランスが崩れやすくなるからです。デート中に食べることができなくても、「後で家で食べよ!」と楽しみにすれば、自律神経のバランスを保つことができます。

対策3/漢方薬で体質改善

漢方に対して効果がないと考えている方も大勢いらっしゃると思いますが、それは間違いです。漢方薬は時間はかかりますが、長期間服用することで体質改善をすることができます。また、漢方薬には自律神経のバランスを保ちやすく効果もありますので、ご興味があれば近くの薬剤師の方に尋ねてみてはいかがでしょうか。漢方薬治療に関しては、こちらの記事をご覧ください。

漢方で多汗症体質を改善する!漢方薬治療と西洋薬治療との違いとは?

対策4/制汗剤の使用

そうはいっても、恋人の前で汗が出ても食べないといけない場面もあるかと思います。あるいは手術の後遺症で、かなりひどい量の汗が出ていたり、もともと多汗症で味覚性発汗以外にも大量の汗が出てしまう方もいらっしゃると思います。

そういった場合は、即効性がある制汗剤の使用を検討してみてはいかがでしょうか。ただ、制汗剤はあくまでもその場しのぎでしかないので、制汗剤を使用しつつ、他の対策も行うことで総合的に汗を抑えることができるはずです。

まとめ

今回は「食事による味覚性発汗の仕組み」についてお伝えしてきました。大まかにいえば味覚性発汗は生理現象の一つとなります。しかし、人間の発汗にはそもそも3種類あり、各発汗が組み合わさって発汗が起こることが多いです。

特に食事に関しては、一度嫌な記憶があるとそれに対して不安やストレスを感じる精神的発汗と、舌の感覚神経による刺激の味覚性発汗が組み合わさります。味覚性発汗は個人間で汗の量が全く異なるため、非常に他者から理解されにくい発汗でもあります。

だからこそ、味覚性発汗で悩むあなたは、あなた自身のことをちゃんと分析して、他者の前ではどう関わるのか、どう対策していけばいいのか考える必要があります。管理人は友人の前ではCoCo壱番屋で食べることは平気ですが、お付き合いしている方の前では食べないと決めています。

他のブログでは「単に制汗剤を使えばいいよ」とあまりに無責任な記載を見かけますが、それでは味覚性発汗の根本的な対策とはいえないのではないでしょうか。そもそも味覚性発汗のすべての原因は現代医学でも正確にはわかっていないのに、なぜ制汗剤だけでいいのか、その説明が見当たりません。

管理人は性格上、「どういった体質で、どういった食事環境で、どの食べ物に対してどれだけ発汗するのか、日常どのような記憶学習をしているのかなど自分自身を分析して、その次に他者と関わる方法を考えて、その上で総合的に発汗対策を取らなければダメだ」と思っています。

    • 下記は子供や妊娠中の女性の敏感肌でも使える制汗剤の『テサランを実際に購入して3ヶ月間使ってみた感想』についての記事です

“今汗で本気で悩んでいて”、“今すぐ汗対策をしたい”方は必ずご覧ください。

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プロフィール


はじめまして。当サイトを運営しているまっきーです。

(自称)多汗症コンサルタントとして150名以上のコンサルタント経験を持ちます。

10年以上にのぼる医学知識と検証をもとに、汗と臭いの悩みを解決する情報を発信していきます。

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